だんだん近未来的技術が開発される中、2016年からVR元年がうたわれてきました。
当時は「VR(バーチャル・リアリティ) 」と言われてもピンとこない、もしくはVR環境を作るのにお金がかかるという事もあり、興味がある人のみが世界観を楽しんでいるイメージ。
しかし、2019年5月21日に「Oculus Rift S」が税抜き49,800円で発売されてから、新たな空間に触れる方が増えています。
普段では味わうことができない「VR」の世界観と必要な機具について詳しくご紹介します。
目次
VRを詳しく紹介
「VR(バーチャル・リアリティ)」は映画の世界の出来事というイメージが強い方が多いと思います。
しかし、1991年にVirtuality、1994年にVR-1とSega VRが販売されましたが、当時は画素が荒く、VRの世界観を体感するには不十分でした。
特にグラフィック処理が追い付いていらず、一般家庭で環境を作るのは難しい状態というのが現状でした。
ここ最近のハードの性能アップとコスト面の負担の低下をもとに、一般家庭でもVR環境を作れるようになりました。
これからVR環境について詳しく紹介します。
VRの世界
VRとはどんな世界なのか?という事にいきつくのですが、一言で表すと「そこにいる感覚」です。
実際に世界観に入ってみないとわからないところもありますが、360°空間が作られているため、ヘッドマウンティングをつけている間は世界観に浸ることができます。
そして、作られた世界の中でヘッドマウントにつけられたセンサーにより、現実世界で歩くとVRの世界でも歩くことができます。
作られた世界の中で直観的操作が可能
最近では、仮想空間の中でモノに触ることができるセンサーを利用したシステムも開発されています。
VRで作られたコンビニエンスストア内部で商品に触ることができれば、買い物を遠隔で行えたり、ネットショッピングの不安である直接ものを見れないという問題を解消することが可能です。
自宅で本格的なVR環境を作るために必要な道具
実際にVR環境を自宅で作るには、映像を出力するヘッドマウントディスプレイとPCやPS4などの出力媒体が必要になります。
ただ映像出力にこだわりがないという場合は、映像出力が内蔵されているヘッドマウントディスプレイを購入すると映像を出力するデバイスは必要ありません。
ヘッドマウントディスプレイ
360度映像を出力する役割を持っているデバイスで、各種センサーが内蔵されており、現実世界での動きをVRの世界に反映します。
そのため、VRを楽しむためには必須となるデバイスです。
映像を出力する媒体
ヘッドマウントディスプレイに対して映像を出力する媒体になるのですが、現在ではパソコンとPS4が主流になっています。
よりリアルな仮想空間を作りたいのであればパソコン。一般的な仮想空間であればPS4でも実現できます。コストの面で出力デバイスを選ぶというのが一般的です。
実際に見るVRの世界とは
実際にVRの世界を見てみると、現実と区別がつかなくなるくらいリアルな環境が作られています。そして作られた空間でヘッドマウントディスプレイを使用することで、行動を反映できます。
まるでそこにいるよう感覚で楽しめる
VRの世界を最も楽しむことができるのは、「Google Earth」というアプリケーションです。
実際に宇宙空間に出て地球を見ることができ、ポインターで行きたい場所を指定することで、実際に指定した場所に行くことが可能。
実際にGoogle Earthを起動して、ポインターを押して初めて来た時の写真。真上からジオラマを見ている感じで楽しめる上に、さらにもっと見たい場所を選択すると内部に入ることができます。
そしてこちらが上空から見た地形。航空写真といった方がイメージがつくと思うのですが、まるで空を飛んでいる感覚で地球のどこでも行くことができます。
トラッキングを使用することで、VRの世界の物を触れる
実際にVRの世界に自分がいるような感覚で楽しめるのが今のVRの楽しみになるのですが、写真のようにトラッキングが仮想空間で自分の手として認識されます。
つまり、空間内にボールがあれば手で拾うように持つことが可能。さらに仮想世界の手の指を動かすことができるので、拾ったボールを投げることができます。
VR内で写真を撮れる
そしてVR内の写真を撮ることができるのも驚くべき進化といえます。VR専用のルームは自分のホームになるのですが、こちらに友達や知り合いを招待することができます。
同じ空間を共有してイベントをしつつも片方が写真を撮るという事が可能。現実世界と変わらない行動ができるのは進化したVRならではの魅力でしょう。
パソコンのデスクトップ画面まで直観操作!?
実際にVRでいつも通りパソコンのデスクトップ画面を表示すると、まるでオブジェクトのように扱うことができます。
例えばホームでVR空間の森を見ながら、デスクトップ画面の操作をする事も可能です。現在テレワークが主流となっている今、楽しく仕事をするという面では仮想空間は欠かせないでしょう。
今回のVR環境を作っているパソコンとヘッドマウントディスプレイのスペック
VRを楽しむために絶対に欠かせないのが画像出力です。
360°の映像を仮想世界として作り出すので、ラグをなくしたい、もっと綺麗に表示したい、となった場合、パソコンのスペックを重視することが欠かせません。
現在私の方で作っている環境は以下になります。
- CPU corei7-6700K(オーバークロックはしていません)
- メインメモリー 16G(DDR4)
- ハードディスク M.SSD1TB
- グラフィックボード GEFORCE RTX 2070 GDDR6 メモリー 8G
- ヘッドマウントディスプレイ Oculus Rift S
総額ですが約14万円くらいしました。特にこだわったのはグラフィックボードで、ポイントは以下になります。
- GDDR6(GDDR5より約10%ほど性能が向上)
- ハイエンドクラスであるRTX(リアルタイムレイトレーシングがVRと相性がいい)
基本VRの世界をストレスなく綺麗な環境を作りたいのであれば、グラフィックボードにお金をかけることが欠かせません。
もちろん内部処理をする面ではCPUも大事になってくるので、最低でも4コア8スレッドは欲しい所です。そして読み込んだデータを展開するにはハードディスの性能も欠かせません。
現在はSSDが主流となっていますが、さらに速度を上げたい場合はM.SSDがおすすめ。
使用したのはOculus Rift Sで実際の製品は写真の通りになります。こちらのヘッドマウントディスプレイとしての性能は以下になります。
- 解像度 1,280×1440
- ディスプレイ 液晶パネル
- レンズ 新型フレネルレンズ
- リフレッシュレート 80Hz
- 視野角 110度
- ヘッドホン スピーカー内蔵
- 外部センサー 不要
- IPD調節 ソフトウエア調節
- 重量 約470g
- ヘッドストラップ ダイヤル式
Oculus Riftの後継機として2019年5月21日にOculus Rift Sが発売されて、購入したのですが理由は以下になります。
- 価格が安い(50,000円くらいで手に入る本格的なヘッドマウントディスプレイ)
- ヘッドマウントディスプレイに必要な外部センサーが必要ない
- 音声が内蔵されている
2016年のVR元年の時に比べて、一般家庭でも購入できる金額まで安くなったのが今回VR環境を作ろうと思ったきっかけになります。
初心者でも簡単にVRの世界に入れるようになっている
VRというと何か難しいことをする必要があると考える方が多いと思います。しかし、現在気軽に参加できるデバイスが開発販売されています。
代表的な製品名を挙げるとOculus Quest 2になるのですが、こちらは先に例としてあげたグラフィックを内蔵したヘッドマウントディスプレイです。
Oculus Questの後継機になり、今回からPCに接続して出力デバイスとしても使用できるようになりました。
前回Oculus QuestとOculus Rift S Oculus Rift Sが同時に発売された時に価格がほぼ同じなのに、Oculus QuestのみPCで使用できないことが問題としてあげられ、改善しています。
価格は40,000円内で収まるため、比較的手が出しやすく、パソコンの設定なしでVRの世界を楽しめることもあり、初心者は入りやすいでしょう。
今後のVRの可能性
現在テレワークが主流となっていますが、VRの世界だと離れた環境でも会社を仮想空間で作ることができ、さらに仕事環境を良くするのではと考えています。
特に人が密集してしまう事で悩んでしまうライブ会場やイベント環境を仮想空間にすることで、誰もが気軽に参加できるではないでしょうか。
ただ、問題点として、VR酔いをしてしまうやVRの世界が未知で怖いといった不安をどう解消するのかという点があります。
VRの無線化が進む
現在のVRの悩みはデータの転送などを考えてどうしても優先になってしまう事です。現在Oculus Questのようにグラフィック出力を兼ねそなえたデバイスが開発販売されていますが、やはり本格的なVRを楽しむためには出力デバイスに依存します。
そこでパソコン本体を起動しながら、ヘッドマウントディスプレイが映像出力デバイスとして、WiFiやBluetoothを活用した方法が考えられていますので、時間はかかりますが快適な環境で楽しめる日が来そうです。
5Gによるデータ送信速度で、どこでも高い解像度でVRを表現可能
VRの世界を綺麗に表現するには、グラフィックボードなどのハードの性能を上げる必要があります。
しかし、さらに必要な事として、どこでも仮想空間を気軽に作るためには、ネット環境のデータ送信速度が重要。今までよく使われていた4Gと5Gの違いは以下になります。
- 最大速度が1Gbpsから20Gbps
- 同時接続が10万台から100万台
- 遅延速度が10msから1ms
簡単にまとめますと速度が速くなり、同時に接続できる台数が10倍になり、遅延速度が10分の1になっており、データが途切れる時間を感じないといった形になります。
そのため、動画を見ていても途中でデータが切れて再生されないという不具合が解消されますし、もし切れたとしても遅延速度が短いため、データが途切れたという感覚はありません。
VRの世界は送信するデータの量が多いので、送信速度と遅延速度は非常に重要な要素になります。
4Gでは不安があった部分も5Gになることで解消されるので、これからVRの世界が各地に作られて、共有する未来が来るかもしれません。
現金が全て電子化されることで、VR内での買い物が可能
現在、インターネットでの買い物はよく行われているのですが、実物を手に取って見れないなど、不安点は全く解消されていません。
しかし、便利があるゆえに、ネットで買い物は欠かせないものとなっています。そんなインターネット上での不安を解消をしてくれる役割をVRの世界で解消可能です。
まず、現金が完全に電子化されることが前提となってくるのですが、お金のやり取りが電子で完結させることができるようにすることで、VRに作られたお店で買い物をすることが可能です。
もちろん実物を電子化することはできないので、購入された後に発送という形にはなるのですが、そこはインターネットで買い物した時と変わらないと思います。
そして実際に用意されている商品の数だけVRの世界で作られたお店に並べればいいので、在庫がどのくらいあるのかというのを利用者も確認できます。また、お店の大きさは土地や価格に依存しないので、好みに合わせた建物にできる事もメリットの1つです。
まとめ
VRは2016年を元年としてある程度広まりつつありますが、世界観に触れたことがない人やVRに不安がある人が多いのが現状です。
しかし、VRは場所や時間にとらわれない働き方をするには欠かせないツールとなっていますし、多くの人がVRを知る事でさらにいろいろな仕事が生まれる可能性を持っています。
まだ、VRでアトラクションや旅行を楽しんだりという分野でしか活用されていません。しかし、トラッキングで直接操作ができる事で、現実世界と変わらない動作が可能になるため、医療やマーケティングなど、ビジネス分野でも活用されていくでしょう。