電気自動車の普及はどのくらい進んでいるのか。課題も併せて紹介。

地球温暖化の原因とされるCO2問題が深刻化していくなかで、電気自動車はバッテリーに蓄えた電力でモーターを回して走るからこそ、排気ガスを一切出すことがありません。

日本のみならず世界でガソリン車やハイブリッド車が多数派の流れを変えるべく、電気自動車を普及させるために動いています。そんな電気自動車の現在や課題について詳しく紹介します。

電気自動車の現在の普及と課題について

地球環境に優しいとともに、補助金や減税が多く受けられるメリットもあります。さらに走行時の静寂性と災害時の非常電源を持ち合わせているのも魅力的といえるでしょう。

現在の元気自動車の普及及び今後に向けての課題について詳しく紹介していきます。日本での電気自動車市場シェア率は1%以下。

ヨーロッパで自動車市場はおよそ8%で、20年以内のガソリン車販売禁止が決定しています。アメリカでも段階的にゼロ・エミッション以外のトラックが販売禁止となることが決まりました。

中国国内では電気自動車市場が成熟していっており、シェア率は上がっていくことが予想されています。しかし日本の電気自動車市場シェア率はまだ1%以下にとどまっています。

数字面を表すと日本は他国に比べると時代に取り残されているといえるでしょう。長距離のロードトリップをしない日本の環境において、電気自動車のシェア率が低いのは日本の大手自動車メーカーが乗り遅れたのがひとつの要因です。

競争原理が働いていない弊害

日本の電気自動車のシェアはほぼ日産リーフのものです。もしも競争力のある電気自動車を揃えていた場合、ほかの大手自動車メーカーも販売の動きも活発になったと予想されています。

もちろん日本のみならず世界中のドライバーは石油燃料を使うことに慣れており、数分で満タンにすることができるのも大きな理由です。素早く充電できるようになっていないのが電気自動車のシェア率が低い理由に該当します。

さらに電気自動車の大量生産の障壁となるのが、既存産業とどう戦っていくかです。石油、ガス、自動車といった既存産業が協力すれば、消費者を獲得しやすくなるのは自明の理で、さらにいえば電気自動車のシェア率が高くなっていくことで大金を失うという方もいます。

アメリカでは絶対に電気自動車を販売しないといけない州では販売されているものの、宣伝はされていないのが事実です。ノルウェイでは新車セールスの50%以上が電気自動車で、世界的にその技術は証明されています。

競争原理が働かないことによって日本のみならず世界でも普及されていない理由のひとつとなるものです。

ガソリン車から電気自動車へ転換するための課題とは

ガソリン車のシェア率が高い状況において、いきなり電気自動車にシフトした場合にいくつかの問題点があります。まず発電能力の強化が必要になることで、ガソリン車を選択する方の多くはスムーズにガソリンを給油できるのを分かっている理由もあるでしょう。

仮にいきなり電気自動車が数万台共有されたとしても電力供給は問題ありません。しかし夏場や冬場には扇風機やクーラーなどを使うことが多くなり、電力供給量が追い付かないといったことも考えられます。

基本的に電気自動車を自宅で充電するのであれば夜間となるものの、大量の電気自動車が同時に充電すると供給サイドの強化は必要になっていきます。

現実問題として各家庭で太陽光発電パネルを設置するのは難しいものがあります。さらに電気自動車に備えたバッテリーを自宅で供給する仕組みが普及したとしても、初期投資コストがかかるのが問題になります。

電気自動車が多くなればなるほど、発電能力の強化が必須となります。太陽光発電や風力発電の供給体制を整えていくことも必要で、電気料金の値上げの問題になるかもしれません。

長期的に国を挙げて発電比率を増やしていくことが何より重要となっていきます。太陽光発電や風力発電であっても技術が進化し、低コストでの発電が可能になっていく可能性はあるものの、すぐに実現するとは考えにくいです。

消費者が抱く電気自動車を購入するにあたっての不安

消費者が電気自動車を購入するにあたっての不安は大きく3つです。まず購入価格そのものの高さで、いくらランニングコストが安くなるとはいっても、購入時の経済的な負担を考えると二の足を踏むといった方もいるものです。

そもそも自動車を購入しても先々には買い替えることを想定するため、できるだけ購入価格を抑えたいと考えるのは当然といえるでしょう。さらに地域充電施設の不足のひとつの大きな問題になります。

短距離での移動においてはそれほど不安がなくとも、長距離移動となると道中で充電をしないといけない場面もあるかもしれません。となった場合に地域の充電施設の不足がより深刻な問題になるでしょう。

すでに電気自動車に乗るのが当たり前の世の中である場合は、ガソリンスタンドのように至るところで充電ができるといった状況ではありません。

車をどういった目的で購入するかは人それぞれ異なるものの、長距離移動をする機会が多いといった場合に電気自動車では不安と感じる方もいるでしょう。

公共の充電ポイントが今後いかに増加するかが世界共通での課題であり、アメリカの場合はスムーズに充電ができるようにするためには2.2兆円もの予算を設けて対応しないといけないのが事実です。

日本においても同様に多くの予算を設けたうえで公共の充電ポイントを多くしないといけません。

ランニングコストは電気自動車に分がある

契約内容及び利用状況によって異なるものの、電気代は1kWhあたり20~30円となります。仮に458kmを走った場合は1,800円前後となり、高燃費性能を持つガソリン車がガソリン代を140円/リッターと計算した場合に2,100円前後となります。

同じ距離を走るにしても電気自動車の方がランニングコストを抑えることができるのは一目瞭然で、通勤や休日にお出かけをするといった機会が多いのであれば、電気自動車を選択するメリットは大きくなります。

どの地域に在住しているかによって異なるものの、急速充電のスタンドと普通充電を合わせるとおよそ2万カ所にのぼります。今後充電インフラが揃っていくとさらに需要は高まっていくと予想されています。

やはり最大のネックとなるのは本体価格が高いことです。バッテリーの少ない40kWhのバージョンで320万円以上するのに対し、ハイブリッドのガソリン車で250万円前後です。

バッテリーの大きい62KWhであるのなら450万円前後となります。リーフの電気自動車の割高感はぬぐえず、地方自治体で補助金を支給していたり国から補助金が支給していたりするものの、ガソリン車との差額を埋められるほどの要素にはなりません。電気自動車がこれほどまでに本体価格が高いのは単純に電池代が高すぎるためです。

量産されることによって電池代は安くなりつつあるものの、それでもまだ電池代は高くて電気自動車の販売を阻んでいる理由になります。家庭で電気自動車を充電するためには、駐車場付きの戸建てに住んでいるのが望まれるという点もネックのひとつです。

電池代が安価になるのが絶対条件

電気自動車の本体価格を下げるためには電池代が安価になるのが絶対条件となります。2010年に販売された電気自動車の本体価格は24kWhの電池搭載量でおよそ370万円です。

2020年には40kWhでおよそ320万円と大幅に本体価格が安くなりました。今後さらに本体価格が下がっていくことで、ガソリン車と競争ができるようになる可能性もあります。

電気自動車が今よりも購入されることによってさらに本体価格が安くなっていくでしょう。2020年前半に実用化が予想されている全固定電池は急速充電ができるとともに、リチウムイオン電池の30%前後になるといわれています。

大幅に電池代が安価にするきっかけになるのは全固定電池となります。ガソリン車に対しての燃費規制が進んでおり、ハイブリッド化が進んでいます。

2020年代半ばから2030年には電気自動車の本体価格とガソリン車の本体価格が交差するといわれており、電気自動車が普及していくでしょう。

大容量の電池は充電時間が長い

多くの自動車メーカーは電気自動車を販売するにあたって電池をたくさん積むといった方法を選択しています。しかし大容量の電池は充電時間が長いといった大きな問題になります。

いつでも自宅で充電ができるのであればよいものの、出先で急速充電が必要になる可能性もないわけではありません。自動車メーカーのテラスでは120kW以上の充電設備を用意し、長距離移動においての不安を軽減することに成功しました。

日本初の充電設備は50kW程度であり、テラスは自前の充電設備を用意して対応しました。同様に自動車メーカーのチャデモも600kW以上のパワーを持つ急速充電設備を用意し、大きな商業者への対応も考えています。

急速充電の規格をそろえる市場が現れた場合に日本初の規格がどれぐらい世界に広がるのかがひとつの注目すべき点となります。次世代の充電規格の行方によって、今後電気自動車が普及するかどうかが変わっていきます。

電気自動車がクリーンではない理由について

電気自動車脚光を浴びる理由のひとつは地球環境によいとされているためです。地球温暖化が世界的な問題となっているなかで、二酸化炭素排出の原因となるガソリン車は目の敵にされています。

しかし電気自動車が画一的にクリーンであると考えるのは大きな問題があります。電気自動車そのものに関しては二酸化炭素を排出しないものの、発電所では化石燃料を燃やす方式を採用しているためです。

化石燃料を直接内燃機関で燃やす方式を採用することができないわけではないものの、エネルギー損失が発生して非効率な使い方となってしまうため、化石燃料を燃やす方式を採用しています。

電気自動車が普及すると今よりも膨大な電気が必要となり、環境を破壊する発電所を建設しないといけなくなります。太陽光発電は晴れた日の昼間にしか発電ができず、風力発電に関しても風速に幅があります。

地球環境に悪影響を及ぼすのはガソリン車だけではなく、間接的に電気自動車も同様であることを覚えておいた方がよいでしょう。原子力発電は二酸化炭素を排出しないからクリーンであるという主張は根本的に間違っているといえるでしょう。

停電した場合のリスク

日々の生活を頼るエネルギーである電気はすでに欠かせないものとなっているでしょう。停電をした場合にはどれだけのリスクがあるのかはいうまでもありません。

ガスの供給が止まることについてはまだ対応ができたとしても、停電についてはどうにも対応ができません。仮に1週間停電しただけでも生活は崩壊してしまうといっても過言ではないです。

電気自動車が普及することで、停電リスクを高めることになるのなら、ガソリン車を今まで通り乗っていればよいのではと考える方も多いはずです。電気に依存するのではなく、いかにほかのエネルギー源を模索するかも大きなテーマとなります。

今後電気自動車が普及するにあたって停電を防ぐための方法を模索しないと、普及させるための障壁となるでしょう。

すぐには電気自動車が普及しない

電気自動車はガソリン車と比べるとさまざまなメリットがあり、充電設備も普及しつつあります。しかし消費者からすればガソリン車を乗っていることによって特に問題はなく、わざわざ電磁自動車に乗り換えるメリットがあるのかと疑問を抱く方も少なくありません。

消費者が電気自動車を購入するにあたって不安をいかに軽減するかが大きなポイントになっていきます。集合住宅にコンセントを設置しやすくする、電池代を安くするための仕組みを確立するといったさまざまな対応が必要になっていきます。

世の中全体で考えて電気自動車を選択することによるメリットがあったとしても、ひとりひとりの消費者単体で考えるにあたってガソリン車と比較して選択するだけのメリットがないと、今後普及していくのは難しいといえるものです。

まとめ

日本において電気自動車の普及率は高くないものの、今後国としての対応や大手自動車メーカー同士での競争が生まれると消費者の目に触れることも多くなっていきます。しかし消費者が電気自動車を選択するためにはいくつかの問題があります。

本体価格高かったり長距離移動に不安があったりと、興味関心を寄せても購入に至らない理由がたくさんあるのが事実です。これらの問題をクリアしていくことが今後の大きな課題となっていくでしょう。