普通に仕事をしていれば、どんな職種についているかに関わらず様々な文章を作成しなければならない場面に出くわすことがあります。そんなとき、どうしても発生してしまうのが誤字脱字や表記ゆれなどのミスです。
文章作成している際に、自分では誠意をもってきちんと文章を作成しているつもりでも、結果的に正しくない文章は信頼を失うことになってしまいます。
それを防ぐためにWordには校正校閲という便利な機能があります。これにより、できる限り正しい文章に近づけることができ、見落としがちな細かなミスまで解消することができます。
今回は校正校閲の重要性とWordを使用する対方法について紹介します。
目次
校正校閲の必要性
まず、どうして校正や校閲が必要になってくるのでしょうか?
理由①信頼性を保つため
内容が素晴しいコンテンツであっても、小さなミスがあるだけで信頼度は低下します。また、その内容に不適切な表現があると、発信者の良識や品位が疑われてしまいます。
信頼性を保つためには、誤字脱字などや文章のおかしなところがないかなどをきちんと確認し、修正することが求められます。そんなときに校正校閲を行うことで、誤字脱字を未然に防ぐことが可能です。
理由②トラブルを事前に防ぐ
少しのミスが大きなトラブルに繋がりかねません。間違った表記により誤解を招くこともあり、イメージダウンにもつながります。
規定や規約などが間違っている場合には、契約問題にまで発展し、金銭的なトラブルや経営自体のトラブルになりかねません。校正や校閲をしっかりすることで、事前にトラブルを回避することができます。
校閲はフリーランスには必須
校閲はフリーランスで仕事をする人にとっては必須なツールです。どうして必要になってくるかというと、文章を提出する際だけでなく、契約書等のリーガルチェックなどに使用できるからです。
リーガルチェックとは?
リーガルチェックとは、契約書を弁護士や法務担当者などのプロにチェックしてもらうことです。
契約書に不備がないか、自分にとって不利な条件が書かれていないかということもチェックしてもらうことができます。
校閲の活用方法
契約書のリーガルチェックを行うことで、表現が曖昧な書き方をされている箇所を修正することができます。そして、校閲機能を使用すれば、訂正箇所など、相手にも自分にもわかりやすくなります。
校正と校閲の違いは?
では、校正と校閲はどのように違うのでしょうか。一見同じような扱いをされる校正と校閲は、文章の誤りを正すことという点では同じです。相違点として、どのような間違いかということが変わってきます。
校正とは
誤字脱字などの文字の表面上に関する誤りを正す作業のことです。
漢字の変換ミスや表記が統一されているかをチェックします。
校閲とは
文章や原稿などの内容の意味的な誤りや矛盾、事実関係とは違うことが書かれていないかなどを確認し正しく直す作業の事です。
自分で校正校閲をする方法
自分で文章の確認をする際の文章校正のやり方はさまざまですが、具体的に上げる以下3点になります。
- 文章を音読
- 時間をおいてチェック
- プリントアウトして確認
そして、自分で完璧に行ったと思っていても見落としや、自分が正しいと思っている箇所が実は間違っていたりと、すべてなくならないのが厄介なところです。そんな時、Wordの校閲機能が役に立ちます。
Wordの校正校閲機能とは
記事を提出する際、誤字脱字があることで文章の信頼性が揺らいでしまいます。しかし、1つ1つチェックしてもどうしても見落としが出てくるもの。そんな時に、事前に見落としを防いでくれるのがWordの校正校閲機能です。
Wordの校正ツールと校閲ツールの違い
校閲はWordの上のタブに表示されていますが、校正はされていません。どうしてかというと校閲は手動で行い、校正は自動で行うからです。
校正ツール
ソフトウェアが自動で誤字脱字などの文章の誤りをチェックしてくれる機能
校閲ツール
コメント表示、履歴保存など手動での文章整え、サポートする機能
Wordの校正校閲機能と設定方法
文章を入力すると、文章のおかしい箇所に赤や青の波線で自動的に判別。こちらが『自動文章校正機能』です。送り仮名ミスや句読点の連続使用の場合、文法的なミスなどの場合に下線で指摘してくれます。
波の種類と波を表示しない方法
これは校閲によりチェックされたことを示す表示です。
赤波
誤字脱字、タイプミスのときに表示されます。
外し方
- ファイルタブを開く
- オプションを選択
- Wordのオプションを表示
- 文章校正にあるWordのスペルチェックと文章校正に注目
- 入力時のスペルチェックを行うのチェックを外す


青波
表記ゆれ、表現の誤りが起こっているときに表示されます。書式が統一されていないと判断されているために出ていると考えられます。
外し方
- ファイルタブを開く
- オプションを選択
- Wordのオプションを表示
- 文章校正にあるWordのスペルチェックと文章校正に注目
- 自動文章校正のチェックを外す


その語句だけの対処法
波線がついた語句の上で右クリックをすると、正しい候補が表示されるので、適切な方を選択。
また、波線部分が間違いでなければ『無視』を選択し、その部分の波線を消すことができます。
スペルチェック機能
表記ゆれ・誤字脱字・助詞の連続・二重否定・文語調・重ね言葉・送り仮名の誤りなどに表示されます。
表記ゆれとは?
1つの文章において使っている同じ語句が、2通り以上の異なる表記で示している事です。特別な意図がないかぎりは、表記は統一することが一般的。違った表記にした事は間違っているという認識です。
例
- ルーター、ルータ
- 犬、イヌ
- シュミレーション、シミレーション
- Web、WEB
- スマホ、スマートフォン
スペルチェック機能設定方法
- ファイルタブを開く
- オプションを選択
- 文章校正を選択
- 設定


更に詳しい設定方法
文章スタイルを変更することで細かな設定ができます。「くだけた文」➝「普通の文」➝「公用文」の順でチェックが厳しくなる設定になっています。
通常はくだけた文の設定で、より硬い文章にしたい場合は公用文にチェックを入れるといいでしょう。またその横の設定を選択すれば、より細かく設定することができるます。
文字カウント機能
レポートや作文などを提出する際に、文字数を指定される場合に役に立つ機能です。左下の青帯部分に表示されていて、その場所をクリックすると段落数などもチェックできます。
文字カウント機能の使い方
- 校閲タブを開く
- 文字カウントを選択
こちらの操作をすることで、文字数が表示されます。あわせてページ数や行数、単語数なども表示されるため、目に見えて確認することができ便利です。
変更履歴記録機能
自分の書いた文章を訂正するときや、されるときに役に立つ機能です。赤字で訂正されるので、訂正された箇所がわかりやすくなります。また、コメントを挿入することも可能です。
変更履歴基本の設定方法
変更履歴の記録をオンにする
- 校閲タブを開く
- 変更履歴を選択
操作の結果、濃いグレーに変わりオンになった状態で、添削します。
文字を削除したい場合
- 消したい文字を選択する
- Deleteまたはバックスペースを押す
操作の結果、文字が赤色になり、文字を追記したい場合は、そのまま文字を打つと赤字で表示される。
訂正した箇所をまとめて確認したい場合
- 校閲タブを開く
- 変更履歴を選択
- 変更履歴とコメントのオプションを選択
- 吹き出しを選択
- 変更履歴を吹き出しにチェックを入れる
操作の結果、右側に訂正箇所が並んで表示されます。ユーザーによって色分けも可能で、誰が何を訂正したのがわかりやすくなります。
特定のユーザーの変更履歴やコメントだけを表示する方法
たくさんのユーザーが参加している場合、誰がどのコメントを入れているのかわかりずらくなります。そんなときに、特定のユーザーを指定することも可能です。
- 校閲タブを開く
- 変更履歴
- 変更履歴とコメントのオプション
- 校閲者→表示したいユーザーのみチェック
操作の結果、指定されたユーザーのコメントのみが表示されます。
メモ帳代わりにコメントを使う
文章の中でのメモや、注意点などを残しておきたいときにコメントを使うととても便利です。
コメント設定方法
- コメントしたい場所にカーソルを合わせる
- 校閲タブを開く
- 新しいコメントを選択
操作の結果、右サイドにコメント欄が出てきます
コメントに「返信」することもできる
コメント内の「返信」ボタンを押すと、コメントの下に新しいコメント欄ができます。「修正しました」や「内容確認済」などとコメントすると、相手に確認し対応したことが伝わります。
コメントを消したい場合
- 校閲タブを開く
- 削除
まとめて消したい場合は、「ドキュメント内のすべてのコメントを削除」を選択します。
変更履歴の記録をオフにするには
- 校閲タブを開く
- 更履歴を選択
操作の結果、グレーだったタブの色が消え、オフの状態になります。
すべての変更履歴を元に戻す場合
- 校閲タブを開く
- 元に戻して次へ進むを選択
- すべての変更を元に戻すを選択
操作の結果、すべての変更履歴が元に戻り、変更する前の状態に戻ります。
変更履歴を表示しない方法
変更履歴は保存したいけれど、他の人に見られたくなかったり、印刷物には表示されたくない。という人もいるのではないでしょうか。
変更履歴を表示させない設定
- ファイルタブを開く
- オプションを選択
- セキュリティセンターを選択
- セキュリティセンターの設定から、プライバシーオプションを選択
- ドキュメント固有の設定からファイルを開くまたは保存するときに、非表示になっている変更履歴/コメントを表示するについているチェックを外す
印刷時に変更履歴を表示しない方法
- ファイルタブを開く
- 印刷を選択
- すべてのページを印刷を選択
- 変更履歴/コメントの印刷のチェックマークを外す。
- プレビューで確認
- 印刷ボタンで印刷開始
変更履歴の記録をオンにする
他の人に校閲してもらうためにはどこを変更したのかわかるように変更履歴の記録をしておく必要があります。
- 校閲タブを開く
- 変更履歴の変更履歴の記録を選択
操作の結果、次の操作から記録されます。もう一度「変更履歴の変更履歴の記録」ボタンを押すと、オフ状態になり、後の操作が記録されなくなります。
校正校閲をするときの注意点
とにかくすべて保存(記録)しておく
複数人でデータのやり取りをしていると、誰がどんな作業を行ったのかがわからなくなります。その後、気がついたら文章が変わっていたということになり、トラブルにもなりかねません。
そういったことにならないように、作業する内容はすべて記録しておく必要があります。文章を書き上げたら、すぐに変更履歴の記録をしておきましょう。
最終確認を忘れずに
Wordの校閲機能は自動で間違いを見つけてくれる便利な機能です。それにより、ライティングにおけるミスをかなりの確率で軽減してくれることができます。しかし、最終的な確認は必ず人の目で行うことが大切。
Wordの校正校閲機能は機械的にミスを表示しているので、それが本当に必要な修正かどうかは必ず目で見て確かめる必要があるからです。
校閲機能を利用しても、前後の文章と照らし合わせてみておかしな箇所がないかを確認、修正するようにしましょう。
文章校正の手順
文章を書く前に設定➝文章作成➝最後に目で確認
事前にどんな文章を書くのかを決め、先に設定をすませておきましょう。後から設定するよりも、書いている最中に指摘されることで、すぐに対応が可能です。
また使い方がわからない場合は、調べてから行うといいでしょう。最後まで書き終わると、自分の目で最終チェックを行い完成になります。
校正することで信頼関係を築こう
このようにWordの校正校閲機能はミスを軽減させ、サポートしてくれる文章作成においてなくてはならない機能です。
校正した文章は読みやすくわかりやすい文章になるだけでなく、相手への配慮なども含まれます。
顔の見えない文章のやり取りになると、余計に配慮した文章にすることが大切です。誤字脱字の多い文章はそれだけで相手に不快な思いをさせたり、誠意がないと思われてしまい、良い人間関係を築くことが出来ません。
そうならないように校正することは、文章を作成するうえで怠ってはいけない作業です。校正した正しい文章を書くことで、相手とよりよい関係を築くことが可能でしょう。