最近街中でよく目にするEVカー。EVとは「Electric Vehicle」の略で日本語で「電気自動車」のことです。
このEV車は、CO2や排気ガスを出さないため環境に優しく、経済的で騒音も少ないので多くの人に注目され、国内外の様々なメーカーが開発、発売してきました。
今回はその中でも三菱のEVカーに着目。三菱のEVカーがどのような機能を搭載しているのか、他の車とどうちがうのか、どのようにあなたの生活に役立つ車なのかという事をこれから説明していきます。
目次
三菱が目指しているPHEVシステムとは?
三菱は環境問題に対応するため1966年から電気自動車の開発をはじめ、1994年リベロEVを開発、環境庁向けとして使用されていました。
しかし、EVは連続走行距離が短いことや充電スタンドがまだまだ少ないこと、充電時間が長いといった課題があり、それを解決するする策としてPHEVが開発されました。
PHEVとは?
PHEVは、ハイブリッドに拡張異能を備え外部のコンセントから充電できるハイブリッド車のことです。
電気だけで走れる距離を大幅にアップさせた次世代エコカーで、地球環境に考慮した仕様になっているので、CO2削減に大きく貢献し地球にやさしい走りを実現できます。
また、購入時の自動車重量税の免除や新車登録翌年度の自動車税なども軽減。購入時には補助金も受け取れるという経済的な側面も持ち合わせています。
今回紹介する三菱のPHEV車は、アウトランダーとエクリプスクロスが発売されています。
三菱のPHEVの特徴
EVとHEVを使い分ける
三菱のPHEVは、普段はEVで走行、休日の遠出はハイブリッドなど状況に応じて走行することができます。
普段使用するEV走行はガソリン消費がゼロのため、CO2排出量もゼロ。環境に配慮したクリーンな走りを実現します。
また、給電スポットも全国に約1500基と一昔前に比べれば格段に増え、近くのショッピングセンターや複合施設、出掛け先のコインパーキングなどで手軽に充電することができます。
休日のロングランにはハイブリッドを使用することで、エンジン車と同等以上の走行距離ができ、給電スポットが見つからない場合にも電欠の心配はないので快適に走ることができます。
状況に応じた走行モード
走行状況やバッテリー残量に応じて、EV走行、ハイブリッド走行を自動で切り替える事が可能です。
高速道路などエンジンで走る方がエネルギー効率がいいと判断した場合は、パラレル走行モードに切り替わり発電、電池パックに充電。加速時にはモーターでアシスト。
中距離走行時には、シリーズ走行モードとなり必要に応じて自動で発電充電を繰り返しながら、なるべく電気モーターのみで走行するモード。
このように状況に応じてモードを変えられより効率的に走行することができます。
駆動用バッテリーは電気を出力することが可能
駆動用バッテリーの電気は、レジャーやもしもの非常用電力として利用することができます。また、その電気は家庭でも使用することが可能。
環境問題に貢献した走行をするだけでなく、停車時にもインフラの一部となり電力供給できる対応力があります。
新時代の三菱の走りとは?
長年にわたり開発してきた環境性能に優れたEV技術に、HEV技術を融合させたのがプラグインハイブリッドEVシステムです。
三菱は2013年充電しながら走る車としてアウトランダーを市場投入。この車は「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、イノベーション部門賞を受賞。
また、RJC(日本自動車研究者 ジャーナリスト会議)のテクノロジーオブザイヤーも受賞したことで注目があつまりました。
重量バランスに配慮したレイアウト
高出力モーターとジェネレーターを車両濃前後に、大容量の駆動用バッテリーをフロア下へ搭載することで、低重心で優れた車両重量バランスをレイアウト。
大人5人が乗ってもゆったり過ごせる車内空間と荷室空間を確保しながら、市街地はもちろんカーブが続く山間路などどんな道でも安定して走行することを可能にしました。
ツインモーター4WD搭載で安定した走り
前後輪をそれぞれ独立したモーター「ツインモーター4WD」を採用。
優れたレスポンスを生かして走行状況やドライバー操作に合わせて瞬時に前後のトルク配分を変えられます。
それにより車両の走行安定性を高め、思いのままにコントロールすることを可能し、様々な路面状況において安心で快適な運転を支えます。
車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」
「ツインモーター4WD」をベースに、アクティブスタビリティコントロール[ ASC]や「ABS」に加え、ブレーキによる左右の駆動力を制御するアクティブヨーコントロール[AYC]を統合制御した高度なシステムです。
前後独立のツインモーターを活用することで、前後車輪の物理的な拘束から解放され、三菱自動車が理想とする最適解 “理想前後駆動力配分”の実現が可能となり、“誰もが安心して楽しめる走りを実現しています。
三菱ならではの走り
三菱の走りの大きな特徴は自分で自由自在に操れるという点です。
5つのなドライブモードとパドルを使った回生ブレーキ機能の強さを6段階も選択可能で、細かな制御の部分までも自分で操作することができます。
また、セーブモードチャージモードEVモードなどの切り替えも可能。
エネルギーマネージメントを自分で考えながらスムーズでダイレクトな走りを実現するのが三菱の特徴です。
外部給電機能について
三菱のPHEV車の説明において一番の魅力ともいえる外部給電機能。
外部給電機能とは電気の供給が通常できない野外などにおいても車に搭載されているバッテリーの力を利用して一般家電製品を作動させることができる機能の事です。
三菱は大型バッテリーを搭載することでこれを実現しています。
電気を取り出せ便利
三菱のPHEV車には、当然のように車内にコンセントが搭載されています。
このコンセントは最大1500Wまで対応可能なので、電子機器の充電にとどまらず、掃除機やドライヤー、電子レンジなど自宅で使っているほ家電のほとんどを外で使用することが可能。
アウトドアや非常時においても電気を取り出すことができ便利です。いわば走る蓄電池ということです。
「V2H」で住居の相互電力供給
V2HはVehicle to Homeの略です。このV2H機器を経由して電気自動車の駆動用バッテリーの電力を住宅へ供給することが可能。
満充電で一般家庭の最大約1日分。エンジンでの発電とガソリン満タンの状態を組み合わせれば、最大で約10日分の電力供給することも可能です。
これにより停電時や万一の災害時でも、慌てることもなく不便になることもありません。照明はもちろん、エアコン、調理器具、お風呂などが普段と変わりなく使え安心です。
また、夜間など電力契約の割引がある時間帯に、V2H機器を経由して家庭から駆動用バッテリーに充電しておけば経済的です。
三菱のPHEV車のラインナップ
三菱のPHEV車は2機種。
国内唯一のPHEV車として登場したアウトランダーと、その弟分として2020年に発売開始になったエクリプスクロスです。
アウトランダーPHEV
2013年に世界初のSUVのプラグインハイブリッドEVとして日本で発売。日本カーオブザイヤーやRJCテクノロジーオブザイヤーなど数々の賞を受賞世界の注目を集めました。
これまで世界60ヶ国以上で販売し、累計販売台数はPHEVカテゴリーでトップの約26.4万台を突破。2020年の欧州市場においてもSUVタイプのプラグインハイブリッドとしては最多台数を販売しました。
アウトランダーPHEVは、大人のゆとりを感じさせ使い勝手の良い仕様です。PHEVシステムの統合制御と4WDシステムを搭載。
2.4Lエンジンにより低回転から効率のいい発電を可能にし、高出力のジェネレーターによりエンジン動力を効率よく電気に変換することができます。
また、ラゲッジルームに外部給電があるのはもちろん、リアシートの足元にも搭載。2つあることでより使いやすい仕様となっています。
ラインナップ
- 2019アウトランダーPHEV G
- 2019アウトランダーPHEV G Plus Package
- 2019アウトランダーPHEV G Premium Package
- 2019アウトランダーPHEV S
エクリプス クロス
三菱自動車でアウトランダーに続き、2車種目となるPHEV車です。エクリプスクロスは、立体的な六角形のリヤデザインが特長。スポーティーで洗練された高級感のあるデザインに仕上がっています。
思いのままに操れるツインモーター4WDのPHEVシステムを搭載することで、気持ちいい走りを実現しました。また、峠などでの曲ったときにも姿勢が崩れることがない安定性があります。
長い走行でバッテリー残量が減ったとしても、2.4Lエンジンが発電を始めモーターとバッテリーに送電し、どこまででも心地いい走りを楽しめます。
もちろん、動く電源として使用できアウトドアや非常時にも対応可能です。
ラインナップ
- 2020エクリプスクロスM
- 2020エクリプスクロスG
- 2020エクリプスクロスP
三菱のBEV車(純電気自動車)のラインナップ(2021年最新版)
BEVとは?
BEV(Battery Electric Vehicle)とは、バッテリーで充電した電気を使って走る自動車のことです。
ガソリンや軽油を燃焼させて走行することがないので、排気ガスが排出されず環境に優しいのが特長。
BEVはピュアEVのことなので「EV」という呼称が一般化しています。「BEV」という表現はHEVの対義語として使う場合が多いようです。
ミニキャブ・ミーブ
ミニキャブ・ミーブは荷物を運ぶことを主な目的とする商用車です。荷物の乗せやすい広々とした開口部で背の高い荷物も楽々積み込め、たくさん運べる大容量仕様になっています。
ミーブは他の商用車と違いエンジンがないので、燃料を燃やすことなく走ることができます。それにより走行中のCO2や大気汚染物質を排出することはなく、食品や生花などをできるだけクリーンに運ぶ事が可能になりました。
また、モーターで走るため音がとても静かなのも特長。早朝や深夜に乗ることが多い業種でもまわりを気にすることなく、エンジン音で迷惑をかけることもありません。
このように働く車として十分に役割を果たすことができるのがミニキャブ・ミーブです。
ラインナップ
- MINICAB-MiEV CD16 2シーター
- MINICAB-MiEV CD16 4シーター
アイ・ミーブ
アイミーブは2009年軽自動車のEVとして登場。容量容量16kWhというバッテリーの小ささを意識させない、優れた使い心地を実現しているモデルです。
アクティブスタビリティコントロール(ASC)を標準装備することにより、滑りやすい路面や急なハンドル操作による車両の不安定な動きに対応し車輪のスリップを防ぎ安心した走行を可能にしました。
小回りのきくアイ・ミブは日常使いに非常に便利で、車庫入れなどにも視界が広く安心です。
また、2018年モデルから安全性の向上を目的としバンパーが伸ばされたことで、コンパクトなサイズ感はそのままに軽自動車から小型車に変更されました。※2021年3月に生産終了になっています。
ラインナップ
- 2018 i-MiEV X
気になる価格は?
便利な機能や最新の技術を搭載している三菱のEVですが、やはり気になるのが価格です。三菱のEV車は現在SUVのエクリプスクロスとアウトランダー、アイ・ミーブそして商用車のミニキャブ・ミーブです。
- 【エクリプスクロス】3,848,900円~
- 【アウトランダーPHEV】4,364,800円~
- 【ミニキャブ・ミーブ】2,431,000円~
- 【アイ・ミーブ】3,003,000円~
国産のガソリン車と比べるとEV車は高めの設定になりますが、輸入車のEVは、500万円後半~1000万円を超える高額になるので、それに比べれば手の届きやすい価格設定です。また、補助金対象車になるので自己負担はそれほど大きくないでしょう。
まとめ
三菱のEV車はCO2削減の地球にやさしい車でありながら、乗り心地や機能性を持ち合わせ経済的で非常時にも役立つというあなたにも優しいモデルばかりです。
特にPHEV車は2013年のデビューから日本のトップを走ってきたモデルです。世界的にもPHEV車のトップクラスのシェアを誇る三菱は、これからも注目を集めることでしょう。
コストパフォーマンスが高く環境にもやさしい三菱のEV車。この記事を参考にその魅力をぜひ実感してみてください。