【2020年版】日本は5Gの活用で世界を先行 各キャリアの計画や企業・自治体との取り組みを解説 今後のロードマップも

タイトルを見て「え?そうなの」と思った方も多いかもしれません。

よく、テレビやネットニュースなんかでは「日本の5Gは米中に遅れている」という話を見かけますよね。たしかに、5Gサービスはすでにアメリカ、韓国、中国では始まっており、5Gスマホも販売されています。

これだけ聞くと、日本の5Gは世界から遅れていると思うのも当然でしょう。しかしこれは技術面に限った話しで、日本は5Gの実用的な活用において世界を先行するポジションにあるのです。

そこで今回は、日本の5Gの現状と、各キャリアの計画、企業・自治体と5Gを普及・活用するためにどのよな取り組みをしているか(してきたのか)、最後に少しだけサービス開始後の展開も解説していきます。

記事を読むことで、

  • 日本の5Gが世界から遅れているのではなく、逆に先行している理由
  • 具体的な活用に向けた企業・自治体との取り組み
  • 各キャリアの5Gサービス展開方針
  • 2020年3月のサービス開始後の簡単な展開

が理解できるはずです。

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日本の5Gの現状

日本の5Gは2020年東京オリンピック・パラリンピックでの商用化を目指して2015年頃から様々な取り組みがお行われてきました。

取り組みには通信事業者だけではなく、総務省も支援する形で、まさしく官民上げて「5Gをいかに活用するのか」「潜在的な需要をどう見つけ出すか」を模索してきたのです。

そして2019年4月には各キャリアに5Gの周波数が割当られ、日本での5G商用可は予定どおり順調に進んでいます。

しかし世界を見渡すと、5G商用化を次々と前倒しており、アメリカの通信キャリア「ベライゾン」が2018年10月に世界初の5G商用サービスを始め、2019年4月にはアメリカと韓国でスマートフォン向けとしては世界初の5Gサービスが開始しました。実際に「Galaxy S10 5G」などの5G対応スマートフォンも販売されています。

このような世界の状況を見てか、日本のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3大キャリアも2020年を待たずして、2019年9月に地域限定&端末付与の形で5Gのプレサービスを初めており、みなさんの中にも実際に体験した方もいるかも知れません。

実は5Gの活用と普及で日本は世界を先行している!

確かに、2020年の商用化という速さだけに目を向ければ日本の5Gは遅れていますが、こと「5Gの活用」においては世界から日本が遅れているわけではありません。

なぜなら、5Gで最も大切なのは通信インフラの構築ではなく、

  • 5Gで何を実現するのか
  • 社会をどう変革するか

にあるからです。

ようするに、ただ5Gの通信インフラをいち早く構築するだけではダメで、いかに活用し社会を変えられるかを考えなければいけません。

その点、世界の通信キャリアなどはスマホ以外での活用方法をまだまだ見いないのが現実です。一方、日本は当初から「5Gの活用」を念頭に官民をあげた様々な取り組みを行っており、5Gの活用の探求においては世界をリードす立場にあるのです。

4Gと5Gでは活用方法が全く異なる理由[日本の通信技術の進化]

ではそもそもなぜ、5Gではこれまでの4Gとは異なりスマホ以外における幅広い活用を見出す必要があるのでしょうか。

理由を一言で表すと「消費者の通信需要の違い」です。

日本における1Gから4Gまでの通信技術の進化と5Gの違いを説明していきます。

携帯電話での通信が始まった1Gでは、外でも電話できるようになりました。しかし、消費者は次第により高品質な通話を求め始め、デジタル通信できる2Gが登場することになります。

2Gの携帯電話でにより日本ではインターネットに接続できる「iモード」などが登場するのですが、そうすると消費者はインターネットをより快適に利用したいと思い、3Gの登場に繋がります。

そして3Gの後半になると、ついにスマートフォンが世に出てきます。そうなると消費者はスマートフォン上で動画やゲームなどの大容量コンテンツを楽しむようになり、急激に通信容量が増加し、大容量化の需要を4Gが解決しました。

これが1Gから4Gまでの通信技術の進化の簡単な流れです。ようするに、消費者側の携帯電話やスマホでの通信需要の増加に対応する形で進化してきたというわけです。


ここで、あなたにもちょっと考えてみてほしいのです。「現在の4Gで通信スピードや容量で何か困ることってあるでしょうか?」

たしかに、時間や場所によってスピードが遅くなったり、月末で通信制限にかかることは誰しもあると思います。しかし、ほとんどの場合(Wi-Fiもありますし)スピードや容量で不満に思うことは無いはずです。

消費者の通信需要は4Gで十分に満たされています。なので消費者からすると5Gを求める動機があまりありません。これが4Gまでの進化と5Gの違い。

だからこそ、スマホではない、これまで通信があまり関わってこなかった分野での活用を見出す必要があるのです。そうしなければ、通信キャリアが何千億もの投資をして5Gを設備しても十分に普及・活用させることができず、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。

消費者の通信需要に対応するのではなく、

  • 消費者の生活を根本から変える
  • 企業のデジタルトランスメーションを促進する

などを実現するため、目には見えていない潜在需要に目を向けて5Gの活用方法を考えていかなければいけないのです。

日本のキャリア、企業、自治体が一体となり5Gの活用と普及に取り組んでいる

では、具体的に日本は5Gの活用と潜在用途を見つけ出すためにどのような取り組みをしているのでしょうか。

まず、日本では2017年に「5G総合実証実験」を開始し、通信キャリア、研究機関、民間企業、自治体など多様な関係者をまとめた6本の5G活用プロジェクトを始めました。 「5G総合実証実験」 は現在もより進化した形で継続中です。

そしてもちろん、各キャリアは独自の取り組みも進めています。


  • ドコモは2018年1月に「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」
  • ソフトバンクも同年に「5G×IoT×Studio」
  • KDDIも2018年9月に「KDDI DIGITAL GATE」

というあらゆる産業で5Gを活用するため、他業種の企業と連携する各社独自の取り組みを進めています。ドコモのプログラムに至っては2019年3月時点で2300社を超える企業・団体が参加しており、5Gに幅広い業界が関心を示していること、ドコモが5Gの活用・普及に本気であることが伺えますね。

もちろんソフトバンク、kDDIもそれは同様で各社とも5G時代では多種多様な企業団体と連携し、新たな活用方法を見出していくことが重要であることを示している証です。

また、キャリアは企業だけではなく日本の地方公共団体との連携強化も進めています。このように日本では5G活用方法の発掘から実証実験のための場、パートナー同士での協業まで促すなど、もはや単なるパートナーシップを超えた「5Gエコシステム」を構築しようとしていると言えるでしょう。

日本だけではなく世界中の通信キャリアも5G活用のために、パートナー連携を強化しているのは確かです。しかし、日本の場合は先程も言ったようにパートナーシップを超えた「5Gエコシステム」で5G活用に向け取り組んでいる。

5Gで本質的に重要なのは通信インフラそのものではない。どう活用し、人々を企業を社会を変えられるかです。

そのために重要な 「5Gエコシステム」が世界に先駆け構築されつつあることから考えると、日本の5Gは世界を先行していると言えるのです。

日本の各キャリアの5G展開計画

日本における各社の5G展開計画を理解するうえで、重要な指標があります。

  • 5Gサービスの「運用開始時期」
  • 2024年までに設置する地域ごとの「基地局数」
  • 日本全国を10K㎡で区切った地域にどれあけ基地局を設置できるかを表す「基盤展開率」(2024年までに)
  • 5G基地局等への「設備投資額」

の4つの指標を基に、日本の各キャリアの5G展開方針をみていきましょう。

ちなみに基盤展開率はこれまでだと人口カバー率で測れていました。なのでカバー率99.9%といっても、実際には人が住んでいる地域のみで、山岳地帯などはカバーされていないことは珍しくありませでした。ようするに、人口の多い地域をどれだけカバーできるかが重要だったのです。

しかし、5Gではエリアカバー率が用いられています。

5Gを一般ユーザーだけではなく、あらゆる産業で活用するためには人がいない地帯でも積極的に展開する必要があるため、エリアカバー率に基づく基盤展開率が使われていることを覚えておきましょう。

ドコモ

運用開始時期:2020年春

基地局数:1万3002局

基盤展開率:97.0%

設備投資額:約7950億円

ドコモは4社の中でも基盤展開率が最も高く設備投資額が圧倒的で、いち早く日本全国を5Gでカバーしようとしています。さすがナンバーワンキャリア。

KDDI

運用開始時期: 2020年3月

基地局数:4万2863局

基盤展開率:93.2%

設備投資額: 4667億円

KDDIは基地局数が圧倒的に多く、基盤展開率も高いので、できるだけ早く日本全国を5Gでカバーしつつも、基地局を細かく設置して通信品質を高める方針でしょう。

ソフトバンク

運用開始時期: 2020年3月ごろ

基地局数:1万1210局

基盤展開率: 64.0%

設備投資額: 2061 億円

ソフトバンクは基盤展開率も設備投資額もドコモ、KDDIに比べてかなり控えめです。しかし特に悪いことはなく、おそらくソフトバンクは、日本の人口が多い地域(大都市圏など)でいち早く5Gを普及させる戦略だと思われます。

楽天モバイル

運用開始時期: 2020年6月

基地局数: 2万3735局

基盤展開率: 56.1%

設備投資額: 1946億円

最後に楽天モバイル。そもそも4Gですら正式にサービスを開始していないので、仕方がないですが基盤展開率にしても設備投資額にしてもかなり抑えめです。

ただし、基地局数が2万3735局とKDDIに次ぐ多さですし、ほとんどの基地局を関東、東海、近畿という大都市圏に設置するとのことなので、ソフトバンクと同様に人口カバー率重要視の戦略でしょう。

日本での4社の5Gサービス展開方針をまとめると、

ドコモとKDDIは基盤展開率が非常に高ので、一般消費者だけではなく、日本中の地域において多種多様な産業でも活用していく方針、ソフトバンクと楽天はまずは人口が多い地域で展開し、一般消費者への普及を促進する方針であると言えます。

すぐに5Gのみでのサービスは無理?日本での5Gロードマップ

日本では2020年の3月ごろに各社が5Gサービスを開始しますが、すぐに5Gの全機能の恩恵を受けられるわけではありません。

各キャリアの展開計画からわかる通り、すぐに5G基地局で日本中をカバーできるわけではありません。なので、2020年中は現在の4Gネットワークを利用しつつ、一部の通信を5Gで行う「NSA」(ノットスタンドアローン)方式が採用されます。

そして、「NSA」 で実現できるのは5Gの3つの特徴である「高速大容量」「超低遅延」「同時多数接続」のうち、「高速大容量」 だけです。

2021年中頃には日本でも、全ての通信を5Gのみで行う「SA」(スタンドアローン)方式が導入される予定。

「SA」になると、高速大容量だけではなく、「超低遅延」「同時多数接続」 の恩恵も受けられることになります。

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