プログラミング言語に興味があれば、Pythonと言う言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
Pythonは近年最も勢いのあるプログラミング言語です。
Githubという有名な会社の年次報告書「The State of the Octoverse」によると、PythonはjavaやPHP、C++、C#を抜いて「最も人気の高いプログラミング言語」の第2位に浮上しています(ちなみに1位はJavaScript)。
[blogcard url=”https://japan.zdnet.com/article/35149142/”]2015年には4位から3位へ、2019年には3位から2位へと一つずつコマを進めており、もしかすると今後最も人気なプログラミング言語になるかもしれませんね。
比較的分かりやすい言語ではありますが、それでも初めてプログラミング言語を学ぼうとしてる方にとっては難しいものです。
そこで、ここではPythonの特徴や基本的な構文を解説します。
ぜひPythonからプログラミングの世界に足を踏み入れてみてください!
目次
Pythonの特徴
Pythonは今から30年ほど前に登場した、比較的古参なプログラミング言語ですが、最近になって注目を浴びているのには理由があります。
ここではPythonの特徴を見ていきましょう。
とにかくシンプル

Pythonは「シンプルを追求したプログラミング言語」です。
突然ですが、Pythonでは次のような「哲学」を持っています。
- Simple is better than complex.(単純なものは複雑なものより優れている。)
- There should be one– and preferably only one –obvious way to do it.(それを行うための明確な方法は(できれば)1つだけであるべき。)
これはプログラマーに対する心構えを説いたものですが、それは同時にPythonが「最も大事にしたいこと」でもあります。
なのでPythonで組んだプログラムは「無駄がなく、誰にとっても読みやすくなる」ことが特徴的です。
できることが豊富



シンプルであることを目標としたPythonですが、それと同時に「できることが沢山ある」のも魅力的です。
筆頭に挙がるのが「機械学習」でしょう。機械学習とは「コンピュータに仕事を覚えさせてやってもらうために、仕事のやり方を教えてあげる」ことで、AI(人工知能)技術の根幹です。
Pythonでは機械学習をさせるための機能が豊富です。
機械学習のための「ライブラリ」という拡張機能をPythonにどんどんくっ付けていくことでそれが可能になります。
また、PythonはWebシステムを作るのにも適しています。
小規模なシステムはもちろん、Webシステムを作るための枠組み(フレームワーク)を使うことで、中規模〜大規模な開発でも使えます。
Pythonで作られているサービス
Pythonの特徴について見てきましたが、結局「Pythonが使えるようになるとどんなことができるの?」という疑問が残りますよね。
ここではPythonで作られているサービスを見ていきましょう。
Youtube



Youtubeは2005年の2月に登場し、現在は19億以上のユーザーを抱えるビッグサービスです。
最近では知らない人はいないんじゃないだろうかと思えるほど有名になりましたが、このシステムの裏側ではPythonが使われています。
Dropbox



Dropboxは恐らく最も有名なクラウドストレージサービスです。
「USBが壊れてデータを破損しそうになったから、なんとかしたかった」という理由から始まったプロジェクトが、現在では全世界で5億以上のユーザーを抱えるサービスへと成長しました。
Blender



Blenderはオランダで開発されたオープンソースの3DCGソフトェアです。
日本語にも対応していて、Windows/Mac/Linuxのどれでも使用可能です。
これもPythonで開発されています。
Pythonの基本的な構文
プログラミング言語を覚えるために必要なことは「とにかく1行でも多く書くこと」です。
前に進む方法はそれ以外ありません。とにかく書きましょう。
なので、ここからはPythonの基本的な使い方を見ていきます。
ここまで読んでPythonに興味を持った方は、ここから先は実際にプログラムを実行してみると良いかもしれません。自分で書いたプログラムが動くのはすごく楽しいですよ!
なお、Pythonはこちらで簡単に動かせるので、Pythonを使える環境がない場合はご使用ください。
[blogcard url=”https://paiza.io/ja/projects/new”]コードを入力して実行ボタンを押すことで、下の欄に結果が出力されます。
文字を出力する
まずは文字を出力してみましょう。
文字の出力にはprintを使います。
print("Hello Python World!")
結果 Hello Python World!
printのあとの丸括弧の中に出力したい文字を「”(ダブルクォーテーション)」または「’(シングルクォーテーション)」で囲って入力しています。
PHPやJavaなどの他の言語では文末に「;(セミコロン)」が必須であることが多いですが、Pythonでは付けても付けなくても構いません。なので基本的には付けません(その方がシンプルです)。
また、printは複数行書くと勝手に改行してくれます。
print("Hello")
print("Python")
print("World!")
結果 Hello Python World!
コメント
コメントはソースコードに注釈を入れるための機能で、「#(シャープ)」の後ろに続けて書きます。
# シャープの後ろに書くとコメントになる
print(“Hello Python World!”) #文字を出力する←printは出力されるけど、#以降の文字は出力されない
結果
Hello Python World!
また、コメントは一時的にプログラムを動かさないようにするためにもよく使われています。
これを「コメントアウト」と言います。
#コメントアウトすると、プログラムが結果に出力されなくなります。
#print(“コメントアウト”)
結果
(何も表示されない)
また、複数行のコメントはダブルクォーテーション3つ「”””」か、シングルクォーテーション3つ「’’’」で、コメントしたい行を囲むことでコメントにできます。
print("Hello")
"""
print("Python")
print("World!")
"""
結果
Hello
ダブルクォーテーションで囲った文字が、結果に出力されていないのがわかります。
文字列
文字列とは、文字通り「文字の列」のことです。
日本語はひらがな、カタカナ、漢字といった文字を複数つなぎ合わせることで文章としていますが、この文章が文字列です。
先ほどの「Hello Python World!」も文字列です。
文字列は、「+(プラス)」を使うことで連結できます。これを「文字列連結」と言います。
print("なまむぎ" + "なまごめ" + "なまたまご")
結果
なまむぎなまごめなまたまご
“なまむぎ”と”なまごめ”と”なまたまご”の3つの文字列を、「+」で連結し、printで出力しています。
四則演算
四則演算は次の4つです。
演算子 | 例 | 説明 |
+(プラス) | 8 + 4 | 足し算 |
-(マイナス) | 8 – 4 | 引き算 |
*(アスタリスク) | 8 * 4 | 掛け算 |
/(スラッシュ) | 8 / 4 | 割り算 |
では実際に使ってみましょう。
print(8 + 4)
print(8 - 4)
print(8 * 4)
print(8 / 4)
結果
12
4
32
2.0
それぞれの四則演算の結果が表示されました。
また、四則演算の「掛け算と割り算は足し算と引き算よりも優先する」ルールは変わりません。
足し算や引き算を優先したい場合に「() 括弧」で囲むのも一緒です。
print( 2 + 3 * 4) #先に3 * 4を計算してから2を足す
print( (2 + 3) * 4 ) #先に2 + 3を計算してから4を掛ける
結果
14
20
数値
数値とは、数字のデータのことです。
例えば「1」とか「2」とか「-3」とかのことです。先ほどの四則演算のところで使ったのが数値です。
すごく当たり前のことを言っているように思えますが、一つ気をつけなければならない点があります。それは「数値と”数字のみの文字列”の違い」です。
次の例を見てください。
print(1 + 2)
print("1" + "2")
結果
3
12
どちらも数字を扱っていますが、上は数値で、下はダブルクォーテーションで囲っているので文字列です。
同じ+の演算子でも、上は加算処理、下は文字列連結をしており、やっていることが変わっています。
このように、プログラミングでは「データの種類に応じて演算子の役割が異なる」ので、注意が必要です。
変数
変数とは、文字列や数字を入れたり、取り出したりできる「箱」のことです。
プログラミングの世界では基礎中の基礎なので、覚えておきましょう。
変数はこのように使います。
first_name = "太郎" #変数first_name
last_name = "佐藤" #変数last_name
full_name = last_name + first_name #変数full_nameにlast_name + first_nameの結果を入れる
print(full_name)
結果
佐藤太郎
first_nameとlast_nameという変数にそれぞれ名前と苗字を入れて、full_nameという変数に文字列連結した結果を入れています。
変数名に複数の単語がある場合は「first_name」というように、単語間を「_(アンダーバー)」で繋げるタイプと、「firstName」のように「大文字」で区切るタイプがあります。
Pythonではどちらも使えますが、慣習的にはアンダーバーを使うことが多いです。
ちなみに変数名には日本語を使うこともできます(個人的には好きなんですが、ほとんど使われていません…)
また、命名ルールとして、変数名は1文字名に数字が使えません。
加えて「+」「-」「/」「%」「(」「{」「#」などの記号を使うとエラーになります。
100yen = 100 #1文字目が数字なのでエラーになる
print(100yen)
結果
SyntaxError: invalid syntax
変数はデータを入れる箱であると説明しましたが、それ以外に、中に入っているデータに名前をつけて分かりやすくする意味でも使われます。
例えば 120 * 5 という式は、これだけでは何をしているのか分かりませんが、変数名を工夫することで、何をやっているか一目瞭然になります。
apple = 120
number_of_apple = 5
print(apple * number_of_apple)
結果
600
変数にapplenumber_of_appleという名前をつけたことで、「リンゴ5個の合計金額」を求めているのがすぐに分かりますね。
Pythonの次のステップ
ここではPythonの特徴や最も基本的な構文をご紹介しました。
実際にいくつかプログラムを組んでみましたが、すごく簡単に実行できたと思います。手軽に試せるのもPythonの良い点と言えるでしょう。
今回学習した以外にも、プログラムを組む上で必要な構文があります。次回はそれらを実際に動かしてみましょう。
プログラミングは「まず作る」「作って動かす」が楽しいです。自分の思いつきが想像通りに動いたらもっと最高です。
Pythonを通じて、プログラミングの楽しさを知ってもらえたら幸いです。
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