[未経験でもOK!]フロントエンドエンジニアとは? 必要なスキルや目指す方法を解説

IT化が進みエンジニア需要の高まりからITエンジニアを目指してみたいという人が増えています。しかし「エンジニアといっても種類が多く何を目指したら良いかわからない」「未経験でもなれるの?」という疑問を持っている人も多いでしょう。

今回は様々な種類があるエンジニアの中から主にWeb制作を行う「フロントエンドエンジニア」について必要なスキルや、仕事内容、未経験から目指す方法、気になる年収などを解説していきます。

フロントエンドエンジニアとは?

フロントエンドエンジニアは主にWebサイトやWebコンテンツのフロントエンド側を担当するエンジニアです。

フロントエンドとはWebサイトやWebコンテンツにおいて実際にユーザーがスマホやパソコンのブラウザ画面を通して見るWebブラウザ全体の見た目や、ボタンを操作した時、スクロールした時の動作のことです。画像にカーソルを乗せると拡大表示される、特定の文章にカーソルを乗せると色が変わるなどもフロントエンドの機能になります。

要するにユーザが「Chrome」や「Safari」などのWebブラウザで直接見たり操作したりする部分すべてがフロントエンドにあたるのです。

たとえば、アマゾンのサイトでいうと「カートに入れる」「購入する」ボタンや住所、支払い方法の入力フォ-ムの見た目や動作などがフロントエンドと言われる部分にあたります。

フロントエンドエンジニアは様々なプログラミング言語を駆使してWebサイト全体の見た目、ボタンや入力フォームの機能、動作をWebブラウザに組み込んでいくことが仕事です。

また、Appleのサイトを見てもらうとわかりますが、スクロールをすると製品の画像や説明文が動作を伴って画面に表示されます。このようにボタンだけではなくWebサイト全体の動作をWebブラウザに組み込んで行くのもフロントエンドエンジニアの仕事になります。

未経験でもフロントエンドエンジニアになれる

最初に結論を述べると、フロントエンドエンジニアは未経験からでも目指すことは可能です。

最近はインターネットの普及やIT化の推進に伴い、WebサイトやWebアプリケーションの需要が高まっています。一方でエンジニアの需要は不足していて、この傾向は今後さらに加速していきます。

経済産業省のIT人材調査によると2020年には37万人2030年には79万人のIT人材が不足すると予測されているのです。需要はあるのに供給が追いついていないという状況から、未経験でも意欲のある人材を採用し、いちからエンジニア研修してくれる企業も増えています。

また、独学でも学習できるようなサービスやオンライン学習サイトを利用すれば未経験であってもプログラミングのスキルを身につけることは難しくありません。

スキルを身に着けた後、ポートフォリオ(自分で作成したサイトやサービス)を作成し、企業に実績として提示すればたとえ未経験でも評価をしてもらえ、フロントエンドエンジニアして就職・転職することは可能です。

フロントエンドエンジニアに向いている人・向いていない人

フロントエンドエンジニアに向いている人と向いていない人の特徴を解説します。

向いている人

  • 「常に最新の情報や技術、トレンドに関心を持ち学習し続けることができる人」

フロントエンドに限らず、IT・エンジニア業界は流れが早く、常に最新の技術・トレンドに関心を寄せ、新しいスキルを身につけることが重要です。

最近ではすぐに新しい言語が開発され、これまで使用していた言語や技術が時代遅れになってしまうことも多いです。そのため常に最新技術に高い関心を持ち、学習し続けることができる人がフロントエンドエンジニアに向いていると言えます。

  • 「論理的思考力がある人」

Webデザイナーの考えたデザインや機能を実現するためにどのようなプログラムを組めばよいのかを体系的に考えるのに論理的思考力は大切です。

また、プログラミングでWebサイトの構築やWebアプリケーションの開発をしていると、エラーが起きたりして、思うようにコーディングできないことがあります。

このエラーを解決するのに必要なのが論理的思考力です。複雑なコードの中からどこがエラーの原因なのか、なぜエラーが起きたのかを突き止め、試行錯誤を繰り返しながら改善していくことができるひ人はフロントエンドエンジニア向きと言えます。

  • 「デザインに対する興味・関心が高い人」

フロントエンドエンジニアはデザイン全般を担当することはなくても、デザイン案をベースにサイトを構築していきますし、デザイナーともコミュニケーションを取りながら仕事を進める必要があります。

その時にデザインに対する関心や知識が無いとデザイン案に即したサイト構築ができなかったり、デザイナーとうまく意思疎通が取れず、本来の意図とはずれたサイトになってしまうこともあります。

そうならないためにデザインに興味関心を持つことは重要です。

向いていない人

  • 「あまりこだわりが強くない人」

フロントエンドエンジニアが担当するのはユーザーが直接利用する部分であるため、ユーザ目線で考えユーザーが使いやすいようにサイトを構築したり、Webアプリケーションを開発することが重要です。

そこにあまり強いこだわりが持てない人はフロントエンドエンジニアには向いていでしょう。

  • 「最新技術やトレンドに対する興味が薄い人」

向いている人のところでも述べたように最新技術やトレンドに対する関心は重要なため、それらに対する興味・関心が薄い人はフロントエンドエンジニアを続けて行くのは難しいかもしれません。

常に最新の技術やトレンドを取り入れることができるよう学習し続け柔軟に変化に対応できないとフロントエンドエンジニアを続けていくことは難しいといえます。

フロントエンドエンジニアの年収は平均は385万円

マイナビによるとフロントエンドエンジニアの平均年収は385万円となっています。20代の平均年収は313万円で、30代の平均年収は457万円です。もちろん企業によっても異なり、中には平均よりも大幅に高額給与を与えているところもあります。

フリーランスのフロントエンドエンジニアの場合は20万~30万円程度の案件から100万円を超える案件まで幅広く存在しており、仕事を受ける方法が確立されている人では1000万円を超える年収を得ている人もいます

企業で働くにしても、フリーランスにしても基本的にフロントエンドエンジニアは経験を積みスキルアップしていけば給与が上がっていくので、最終的には年収が1000万円を超えるなど、経験やスキル次第で年収が大きく変わる仕事であると言えます。

また、仕事を受ける方法が確立されているならば企業で働くよりもフリーランスの方が年収が高くなう傾向にあります。

未経験者が身につけるべきフロントエンドエンジニアの必須スキル

フロントエンドエンジニアに必要なスキルは色々ありますが、まずは最低限身につけておくべきスキルを確認していきましょう。

HTML・CSS

HTML・CSSはマークアップ言語と言われるもので、Webブラウザにサイトを表示するのに必要となる言語です。すべてのWebサイトはこのHTML・CSSで作られています。

その中でもHTMLはWebブラウザに文字や文章、画像を表示するのに使用されています。ただしHTMLはあくまでも文字や画像を表示するだけで、その見た目や大きさ、配置、色などは指定できません。

そこで利用さているのがCSSです。

CSSはHTMLで表示した文字の色や大きさ、間隔、サイト上での配置などを指定できます。他にも画像の大きさや、配置、サイト全体の幅などWebサイトのあらゆるデザインを作ることができるのがCSSです。

CSS最新版のCSS3では単純なデザインの指定だけではなく、複雑なアニメーションを指定できるようになっています。またCSSを操作しやすくするために「Sass」というプリプロセッサや「CSSグリッド」「FlexBox」などのCSSフレームワークを使用することもあります。

CSSプリプロセッサとは他の言語で記述した構文をCSSに変換することができるものです。CSSに多彩な機能を追加することができます。

CSSフレームワークとはCSSによるデザインのベースを簡単に作成することができるツールです。ベースをフレームワークで作成することで大幅に作業時間を短縮することができます

Javascript(jQuery,Reactなど)

JavascriptはWebサイトに動きやアニメーションを加えるために使用されています。

たとえば、ボタンを押した時にボタンが動いたり、スクロールした時のサイトの動き、カーソルを載せた時にメニューがプルダウンする動きなどを指定し、動きのあるリッチなWebサイトを構築することができます。

Javascriptにも様々なライブラリーやフレームワークがあり、jQueryやReactなどが有名です。

未経験でも身につけると良いフロントエンドエンジニアのスキル

PHP

PHPはWeb開発で広く利用されている言語で、サイト構築を簡単に行える「Wordpress」もPHPで動いています。

PHPでは主にデータベースと連携することで、入力フォームを機能させたり、データベースに保存されている記事を表示することができます。

Ruby

日本人のまつもとひろゆき氏が開発した言語で、コーディイングがしやすく、開発能率高いためプログラマーに人気となっています。

Rubyの一番のメリットはRuby on Railsというフレームワークを利用してWebサイトやWebアプリケーションを効率的に開発することができる点です。

PhotoShop・Illustrator

Webデザイナーが作成したデザイン案を理解するためにもフォトショップとイラストレーターの知識やスキルは身につけておくのが望ましいです。

非常に多機能なためすべてを使いこなすのは難しいですが、基本的な操作だけでも学んでおくと良いでしょう。

UI/UXの知識

ユーザーが直接利用する部分を開発するため、ユーザー目線に立ったわかりやすく使いやすいサイトの構築が重要です。

そのためにUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)の知識を身に着けておくことが望ましいです。

WordPress

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるもので、Webサイトを簡単に構築することが可能です。

世界の25%のサイトはWordpressで作られていると言われており、フロントエンド開発には重要なスキルと言えます。

未経験からフロントエンドエンジニアになる方法

参考書やオンライン学習サイトで独学

最も手軽な方法は参考書やオンライン学習サイトで独学することです。今は様々な学習サイトが存在しており、独学しやすくなっています。

独学でスキルを身に着けた後、自分でWebサイトやサービスを作り、実績として提示すれば実務未経験でも採用してもらいやすくなります。

フリーランスとして仕事を受ける場合も実績があると仕事を受けやすくなることは間違いありません。

初心者におすすめにお学習サイトとしては「Progate」「ドットインストール」などがあります。特に「Progate」はわかりやすい説明と環境構築が不要なことから未経験者が独学するのに最もおすすめのサイトです。

「Progate」で基礎を学んだ後、「ドットインストール」でさらに詳しく学ぶという流れもおすすめです。

独学におすすめ学習サイトはこちらも参照:[初心者向け]独学でできるおすすめのプログラミング学習サイト7選!

出典: ドットインストール

出典:Progate


プログラミングスクールに通う

独学で続けられるか心配、という人はプログラミングスクールに通うのがおすすめです。

スクールでは必要なスキルを体系的に学べるだけではなく実際に現場で開発を行っている人が講師として教えてくれたり、質問することもできるため効率的に学習することができます。

独学しているとどうしても解決できないエラーが出てきてしまいますが、プロの講師に質問することで解決できる場合が多いく、初心者でも学習が続けやすいでしょう。

また、プログラミングスクールはスキル取得後の就職・転職まで支援してくれる場合も多く、独学の場合に起こりがちなスキルは取得したがどのように仕事を取れば良いかわから無いという状況を回避できるのもスクールに通うメリットです。

ただし、お金がかかってしまうため、まずは独学で進め、これ以上は難しいと感じてからスクールを検討する方が良いでしょう。お金に余裕があり、最短でスキルを身に着けたい場合は初めからスクールでも構いません。

初心者におすすめのスクールは「Tech Academy」「TECH CAMP」「Code Camp」などです。

出典:Tech Academy

出典: TECH CAMP

出典:Code Camp

未経験OKの企業に就職して経験を積む

プログラマーの不足により未経験者を積極的に採用している企業が増えているため、研修を通してスキルを身に着けることができます。

就職するメリットは開発現場でいち早く実践経験を積むことができることと、お金をもらいながらスキルアップできることです。

企業で実践経験を積むことでお金をもらいつつ効率的にスキルアップできるので、モチベーションも維持しやすいでしょう。

未経験でも積極的にフロントエンドエンジンを目指そう!

フロントエンドエンジニアはこれからますます需要が高まっていきます。そのため将来性という点では問題ないでしょう。

身につけるべきスキルが多く、最初は難しいかもしれませんが、未経験からでも自分に適した方法で少しずつスキルアップしていけば十分にフロントエンドエンジニアとして稼いでいくことは可能です。

参考書を買ってみる、学習サイトを使ってみる、求人を探してみるなど、まずは小さく行動を起こしフロントエンドエンジニアを目指しましょう!